昨秋行われた2017年衆議院議員解散総選挙において、「データ、テクノロジー、デザインによって民主主義を前進させる」と標榜するNPO法人Mielkaが取り組んだプロジェクトの一つが「JAPAN CHOICE」であった。特にその中でも、当法人が従来からリサーチして保有していた議員情報と、東京大学西沢教授が公開している衆議院選挙区ポリゴンデータを組み合わせたデータビジュアライゼーションが今回のプロダクトである。
特筆すべきは、これら全ての動きをデジタルネイティブ世代、ミレニアル世代の10代、20代の社会人、学生のみが作り上げ、「直感的に、手に取るように選挙が分かるサイト」を実現したことである。その結果、サイトのローンチから1週間足らずで約300万PVを達成した。
データは、その受け手が直感的、合理的に解釈できるようにビジュアライゼーションされて初めて本当の価値を生み出す。
有権者が選挙の度に抱える悩みは、①どの小選挙区に当たるのかがわからない、②候補者に誰がいるのかがわからない、③候補者の情報がないし探すのも面倒など、どれもデータ、テクノロジー、デザインで解決できる悩みばかりであった。そこで、これら全ての悩みを解決したのが本プロダクトである。
利用手順は次のとおりである。
①日本地図が表れるトップページで、自分の住民票がある都道府県をクリック(あるいはタップ、以下省略)する。
②当該都道府県が拡大され、市町村ごとに線引された選挙区が表示される。これをマウスオーバーすれば立候補者がポップアップ表示される。クリックすればさらに詳しい立候補者情報が下部に表れる。
なお、詳細情報においては各選挙区の選挙公報へのリンクも常設しており、期日前投票では未だに選挙公報が届いていない地域もあったことから、オンライン上で見ることができるようになっている。
また、現在は開票結果をビジュアライゼーションし、当選者の所属政党に選挙区の色を変え、得票数の比較をバー表示で行っている。一方、開票前には各選挙区の接戦率データから、接戦度ごとに色を変えるビジュアライゼーションを行っていた。
このように、テクノロジーの力を用いて多くの投票行動へと繋がる情報をわかりやすく一箇所に集めることで、有権者に対して従来と比べて選挙のために調べる労力を減らしながらも、これまで以上の情報を提供することをで、情報格差の広がりも抑えることを可能にした。これにより、調べるために使っていた時間を投票先を考える時間に費やすことや、情報を得るための時間や方法が足りなかった有権者に対しても一票を考える機会を提供することを可能にした。
更新: 2018年1月14日
(とんふぃ)