【デジタル書架ギャラリーとは】
新型コロナウィルス感染症拡大の影響によって当館が臨時休館となった際、利用者が書架を眺めながら本を探すことができなくなってしまったことについて考えました。書架を眺めることは、OPAC検索では得られない本との出会いがあります。そこで、ウェブサイト上に書架を出現させ、その書架を眺めながら本を探すことができる「学芸大デジタル書架ギャラリー」を公開することにしました。
「学芸大デジタル書架ギャラリー」は、2020年6月25日に公開され、教育学分野(370番台)の書架の画像をウェブサイトで閲覧が可能になりました。また、「学芸大デジタル書架ギャラリー」の公開ともに東京学芸大Explayground 推進機構の協力により書架を3次元で表現した「3D書架」も公開しました。そして、2020年8月24日には、教育分野である370番台のすべての開架書架画像を公開し、現在は約19,600冊の本の背表紙をウェブ上で見ることができます。
ウェブサイトURL: https://lib.u-gakugei.ac.jp/mol/shoka
【データセットの概要】
1) 書架画像のオープン化
現在、「学芸大デジタル書架ギャラリー」で公開している書架画像は244枚であり、そのすべてがオープンデータとして、CCBYのライセンスで再利用可能になっています。これらの書架画像では、約19,600冊もの本の背表紙を見ることができます。画像はウェブサイトからの一括ダウンロードも可能としました。
2)メタデータのLOD化
書架画像のメタデータ情報を整理し、「デジタル書架LOD」として公開しました。
大学図書館の本はNDC(日本十進分類法)という数字で、その主題があらわされ、数字順に書架に並べられています。デジタル書架ギャラリーのウェブサイトでは、AからNの14ページに分け、370番代の書架56連を収めました。各ページには書架4連分画像16枚が収められています。
語彙は、以下の通り、主にDublin Coreを用い、画像に映っている本のNDC分類記号をもとに、NDL分類へのリンクも付与しました。
schema:image 書架画像データ
dc:creater 作成者
dc:contributor 制作協力者
dc:date 撮影日
dc:format 画像のフォーマット
dc:rights ライセンス
dcterms:isPartOf 含まれているウェブページ
dc:subject NDC(日本十進分類)
dc:description 説明
【データの更新について】
書架に配架される本は、貸し出しや返却により日々移動しています。そういった変化に対応するには書架画像の更新が必要です。
そのために現在、デジタル書架ギャラリーのマニュアルを作成し、だれでも更新できるように取り組んでいます。
今後、そのマニュアルをもとにデジタル書架を更新していきたいと考えています。
【活用の可能性】
(1)3D書架の公開
東京学芸大Explayground推進機構の協力の下、244枚の書架画像を利用して、3D書架を作りました。
よりバーチャルな書架を体験できるようになりました。
以下のリンクより見ることができます。
https://digital-library.net/3d-library3/index.html
(2)NDC分類へのリンク
今後、他の図書館でも当館と同じように撮影し、それぞれの画像にNDC分類のリンクを付与したLODを作成すれば、当館の書架だけでなく多くの図書館の書架を分類番号ごとに繋げて、ウェブ上で見ることができるようになる可能性があります。
新型コロナウィルス感染症の影響で新しい生活様式が求められているなか、さまざまな活用がなされ、デジタル書架LODの繋がりが新しい図書館サービスの一つの形になっていくことを目指しています。
更新: 2024年10月10日
(横山美咲)