日本各地の路傍には、お地蔵さんや道祖神、庚申塔など、数多くの石仏や石造物が残されています。それらは主に江戸時代に造立されたものであり、百年以上の時を経た文化財を道端で普通に見られるというのは、世界的に見ても珍しい光景と言えるでしょう。
屋外で風雨に晒されている石造物には風化や破損したものも多く、その保全は喫緊の課題です。しかしながら、石造物の調査は十分に行われておらず、調査記録も古いものが多いため、現在どこに何があるのか把握できていないのが実状です。寺社の境内にある石造物とは異なり、路傍の石造物は再開発や災害によって人知れず失われてしまうことが少なくありません。
そこで、自動車内に設置したカメラで撮影した車窓風景の動画から、深層学習(ディープラーニング)を用いて石造物を検出し、位置情報を付けてデータ化しました。
更新: 2021年11月15日
(小池 隆)